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「そうなの。あ、申し遅れました、私、瀬乃優香と申します。よろしくね、玲華ちゃん」
「は、はい……よろしくお願いします……」
「玲華、葵さんのこと知ってるのか?」
「知ってるも何も、昨日入部した部活の後輩だよ……」
俄には信じ難いが、目の前にいるのは正真正銘瀬乃葵だった。さすがに会うのが三回目にもなると、衝撃も薄くなってしまう。
「……え、ちょっと待って。新しくできる妹って——」
「そうだ、玲華。葵さんが玲華の妹になる」
前言撤回。理解が追いつかない。玲華は頭から煙を吹いて思考停止しそうだった。まるで壊れたロボットみたいに脳の処理能力が限界を超えた玲華は、そのまま口をぽかんと開けてそれ以上言葉を紡ぐことができなくなった。
「立ち話もなんだし、上がってくれ」
「ありがとう。まずは妹さんにもご挨拶しなきゃね」
悟の誘導で二人が中に入っていく。葵は玲華の方を気にしているようだったが、優香に呼ばれて後を追っていった。
「玲華、昼食の用意手伝ってくれるか」
「う、うん……」
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