春は出会いの季節と言うけれど

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 遅かった。気づいた時には、玲華は尻もちをついて荷物をぶちまけていた。 「玲華! 大丈夫?」 「いてて……私は平気。あなたは——」  玲華は彼女を見て、絶句した。言葉を失った。何が起こったのかわからなかった。頭がおかしくなったと思った。 「すみません! 急いでたもので……」  そう言った少女は、少女の姿は。  玲華の妹である蘭に、とてもよく似ていた。
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