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 今回の依頼は、住民が減って毎年恒例のお祭りができなくなった小さな神社で、肝試しに入った子どもが古い鈴を見つけたのだが、遊んでいた子どもたちが次々に熱を出したのでお祓いをしてほしいというものだった。  占いとお祓いは全然違うと真雪は思うのだが、依頼する方はどうでもいいらしく、そして受ける方もどうでもいいようで、ボスは何でも受けてくる。  真雪はその鈴が壊れているから、罰が当たったんでしょうと言って、それを引き取ってきた。そして青葉に夕方までに直しておいてと言ったら、青葉はきれいに直してくれる。  真雪はその鈴を持って、神社にお祓いにやってきた。  数人の住民が見守る中、真雪は鈴を気持ちよく鳴らしてくるくる踊る。これは気分で舞う感じでいい。楽しい気持ちが一番。  真雪がパーカーにチェックのスカート、スニーカーという姿なので、以前は怪訝そうにする人もいたが、今はもう真雪のスタイルをとやかく言う人はいない。JK占い師みたいな扱いで噂されている。  実際に浄化されたらいいのだ。  青葉は真雪がくるくる舞うのが終わると、住民から金を徴収する。たまに支払い拒否する客がいるので、青葉はそういうときに眉間のシワを圧力に変える。真雪も青葉の幼少期を知っているわけではないが、あのボスと長い間つきあっていると当然ながら、青葉も最終的には圧力または暴力で解決しようとする。そういう教育を受けちゃったんだろう。  でも、それもたまに役立つので真雪は仕方ないと思っている。  真雪ができないことを、青葉がやってくれる。  反対に青葉ができないことを、真雪がやるから、それでいい。
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