ただ……泣ける……

あなたを想うと
ただ泣ける

泣けて…泣いて…
滲む景色……

あの日……

冷たく……硬くなった あなたをみつけた あの日から……

あなたを想うと…
ただ…泣ける

あなたの姿 カタチが消えた…
声を聴くことも できなくなった…

だけど勝手に未来がやってくる……

あなたのいない滲む未来より
あなたのいたセピア色した過去がいい…

思い出をかき集め　綴るよ
日付のない過去日記…

いっしょに食材を選び
いっしょに料理して
いっしょに食べる…
あなたが食器を洗い
私が拭いていく…
洗濯物をキレイに干すあなた
アイロンが得意な私
花の名前を言えば
花言葉を教えてくれる
私がメロディーを口ずさめば
あなたはハーモニーを奏でる

持ちつ持たれつ
あなたは そう言って笑った…
持ちつ持たれつ
私がそう言って笑った……

あなたと過ごす日々…
時には意地悪したりされたり…
喧嘩して何日も口をきかなかったり…
だけど　お互い謝らない…
そう…謝らないのに……
気づけば向かい合い　
お茶飲みながら笑い合ってた…

映画を観るとき テレビを観るとき 本を読むとき 音楽を聴くとき
同じタイミングで 泣き 笑い
怒り 喜び 歌う……

似た者同士
あなたは言った……
似た者同士
私が言った……

あなたのいない日常は
生き辛い
あなたのいた非日常で
息をする

あなたを想うと
ただ泣ける

泣けて…泣いて…
滲む景色

泣けて…泣いて…
滲む世界

あなたを想うと………