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プロローグ
「やっと終わったな。」
新城道斗はパソコンの電源を落とすとため息をついた。
道斗は21才、大学院を飛び級で卒業、日本時空光学研究所へ就職をして今年研究員となったのだ。
新人であるものの大学時代から時空理論を展開し、研究者からも早くから注目された存在であった。
日本時空光学研究所は3年前に設立されたのだが、ようやく体制が整い本格的な研究が成されつつあった。
その一つが時空破断システムである。
時空を破断することにより時間や次元に強烈なエネルギーを与えて、時間移動や次元移動を可能にするのである。
道斗はこのマシンのチーフとして整備にあたっていた。
「今頃は広間で発表の記念パーティーをやってるはずだな。
おれはバカ騒ぎには遠慮しといて最後の仕上げまにマシンの点検でもしておくか。」
時空破断システムは地下10階にある。
エレベーターで降り、システム室へ向かった。
道斗はセーフティカードをかざす。
安全のためこのセーフティカードは何重にも
ここに入室出来る人間は研究所関係者は数人である。
ふとその時セーフティボックスから異常音が鳴った。
なぜかドアも開いた。
「何?おかしい。誰もいないはずのシステム室に。」
入る瞬間電子レーザーが飛び出た。
黒づくめの格好の者が五人ほど飛び出してきた。テロリストだ。
「そいつにはかまうな!今からシステムを破壊する。」
ボス格が指示した。
「やめろ!ここでシステムを破壊したら大惨事になるぞ!」
道斗は大声で叫んだ。
「だからどうだというのだ!我々はこの任務に命を賭けている!」
「やめろ!」
道斗の最後の叫びも届かず、システムが火を吹き爆発音がした。
‥なんということを、おれはここで終わるのか?‥
道斗は薄れゆく意識の中で建物が崩壊する光景がみえた。
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