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プロローグ②
道斗ははっと目覚めた。
「おれは助かったのか?」
周りは荒野であった。
‥どこなんだ、ここは?
まさか研究所が灰に‥
前方から人影が見えた。
どうもこちらに向かっている。
黒いフードを被り、杖をついてるようだ。
道斗は上体を起こした。
手足に軽い傷を負っているが、なんとか動けそうであった。
フードの男が道斗の前に立った。
砂嵐で顔ははっきりしないが白い顎髭がみえた。
「シンジョウ ミチトよ。そなたはバルガァードの救世主となるのだ!そしてこの世界を救え!」
男は杖を上げて唱えた。
「あんたは誰だ。なぜおれの名前を知っている。バルガァード?ここは日本じゃないのか?」
道斗は問い返すが、フードの老人は答えない。
「ミチトよ。そなたには力が眠っておるのじゃ。
太陽が昇る方角に歩け。やがて街にぶち当たるであろう。そこに始まりがある。」
フードの男はそれだけ言うともと来た方角へ歩き出した。
「おい!待て。」
道斗が叫んだときには砂嵐と共に消えていた。
‥何なんだ?‥
砂嵐は止んだし、老人の言うように太陽が登っていた。
道斗は夢でも見ているのかと思った。
しかし破れた研究服を着て足に軽い傷を負った姿はまさしく現実であった。
‥あの老人が言ったように街を目指すか‥
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