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流浪の街カラム
砂嵐は完全に止み太陽が昇る方向へ道斗は歩き続けた。
足の痛みはあるが体力的には十分であった。
‥あれか,街は。‥
前方に石造りの家々が現れた。
街の中は静まりかえって,人はいない。
‥中に閉じこもってるのだろうか?街の雰囲気は中近東っぽいが。‥
少し砂嵐が戻り、馬に乗ってやってくる集団が見えた。
‥何か違う、これは‥?‥
道斗はその馬が灰色で目が青色、立髪は黄色であるのに驚いた。
しかも馬から降りた男たちは一見西欧人に見えたが、目の色が赤や青や緑、明らかに違っていた。
彼らは一軒の家の扉を壊し始めた。
そして中から家族と見える4人を引きずり出した。
首領らしき男が指示をすると捕縛した。
それを見た道斗は男らの前に飛び出して叫んだ。
「やめろ!」
ならず者達は道斗の言葉がまるで理解出来なかったのだろう。
道斗を取り囲み、襲いかかった。
道斗は反射的に蹴りを入れた。
彼は学生時代から柔道と空手を学び体得していたのだ。
3人を倒したが、敵はまだ20人近く、しかも銃や剣を手にしていた。
‥くそ、このままでは埒があかない‥
道斗は拳を握りしめ、待ち構えた。
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