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武家の中でも中の上くらいの家格の家だったが、母は自ら厨に立ち料理をする。 父も雨漏りがすると屋根に登って自ら直す。 このような武家らしくない武家であったから、あっさりと許しが出た。 父の伝手で選ばれた店は、武家向けの調度を扱う店だった。 調度と言っても、箪笥などの大きいものは置いておらず、こじんまりとしていて店主自らの目が隅々に行き届いている店である。
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