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「そんな事があったんですね...」 僕は呟いた。 お爺さんは少し白味がかった瞳をどこか一点を凝視していた。 「ちなみにそのタカシナさんの家はどこら辺にあったんですか?」 「ああ ここからだと学校の先の方じゃ 学校もタカシナさんの土地じゃった 今はどうじゃろう 向こう側は開発されてよう分からんが... 庭にあったガス灯は年代物と言う事で保存され学校が作られた時 校門辺りに移設されたのは知っておるし何度も見に行った 当時 タカシナさんはハイカラで新しもの好きじゃったから当時の最新カメラを持っておった 随分 儂も撮ってもろうたものよ そう言えば確か孫達と一緒に撮った写真があったと思うんじゃが... 探してみようか」 「宜しければ是非・・・」 僕がそう言うとお爺さんは奥の部屋へゆっくりと消えて行った。 暫くすると薄いアルバムを抱えて現れた。 受け取った僕はゆっくりと表紙をめくった。 坊主頭の凛々しい顔の若い頃のお爺さん 三人の友人だろうか仲間との笑顔 多くの人々との集合写真 そして中学生位の男の子と女の子に挟まれて嬉しそうな若きお爺さん その写真は僕を一瞬で惹き付けた。 そこにいるお下げ髪の女の子は幼くもあの雨の日の校門で出会った少女と瓜二つだったからだ。 僕は身体の震えが止まらなくなった。
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