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プロローグ
今日はまぼろしと言われている夜カフェの開店の日。
不定期でしか開いてないこのカフェには、いつの間にかそんな名前がついていた。
東京の熱気こもる場所ににつかない、森を想像させる店内は、趣味がいい木目の家具がおかれ、無数の緑の植物がナチュラル感をほどよく演出してくれている。心地よい音楽が流れ、蝋燭がゆらゆらゆれている。
私はばたばたオープン準備をしている。
カフェの日はいつもとは違う地味な服に髪は一つ結び。ナチュラルな店内と調和がとれる無印のエプロンをつけている。
今日の日替わりスイーツは苺とベリーがふんだんに使われたふわふわのシフォンケーキセット。よこに添えてあるきめ細かい生クリームがキラキラ光る。
『今日もかわいくできたし、すごくおいしいよ?』
ニコリとほほえみそれを、カウンターの1番左の席においた。
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