本編

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あれほど激しく降っていた雨は、2時間もすると綺麗に上がって、自分の家の前についた時は紺色の夜空に星さえ輝いていた。 玄関前でバッグから鍵を取り出していると、隣の部屋からスーツを着た鈴木さんが出てきた。 「おかえりなさい。お出かけしていたんですね。今が帰りですか?」 「はい、友人の家に寄っていて」 答えてから、慌てて「こんばんは」と付け加える。鈴木さんは私の慌てた様子をみて、おかしそうに笑った。 「今、時間はありますか? 学校に通い始めて2週間弱経ったので、少し話せたらな、と」 「わかりました……あの、」 ほんの数秒だけ悩んでから、口を開く。 「私も、鈴木さんに聞きたいことがあります」 鈴木さんは、どこまで私の行動を把握しているのだろう。 私がそういうことを見越していたのか、鈴木さんは驚くことなく優しく頷いた。
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