オフシーズン

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蒼 side 片付けを終えて リビングのソファーで 瑞久とのんびりタイム 玄関から "えっ"って声がした そして 廊下を走ってくる音 「なんで居んだよ!」 「おかえりー 遅かったな」 「航くん お帰り」 「…瑞久ちゃん ただいま」 「あれ 千佳ちゃんは?」 「…」 部屋を出て玄関へ 「千佳ちゃん いらっしゃい あがって」 「お久しぶり振りです 蒼先輩 お邪魔します」 リビングへ連れていく 千佳 「瑞久先輩 お久しぶりです」 瑞久 「千佳ちゃん 元気だった?」 「はい 先輩方もお元気でしたか?」 「うん 元気だよ」 「良かったです お会いできて」 「私も」 瑞久と千佳ちゃんが話していたので お茶を出そうと冷蔵庫へ 航が近付いてきて 「早く出ていってくれよ」 「少しぐらい いいやろ? そんなに二人になりたいの(笑)」 「いや…別に」 「瑞久も楽しそうやし もう少しだけ なっ」 「…」 航が荷物を持って2階へ行ったから 「千佳ちゃん 航とどう?」 「?」 「チューした?」 「アオ!」 「…///」 「千佳ちゃん ごめん」 「いえ…あの…」 「ん?」 「どうしたら…もっと…その…距離が…いえ 何でもないです」 瑞久 「千佳ちゃん 焦らなくても大丈夫だよ 航くん 千佳ちゃんの事 すごく大事に想ってるよ」 「…そうですかね」 「あいつ ビビりだから」 「誰が?(怒)」 航が後ろに 「…(汗) 瑞久 そろそろ 行こうか?」 「う うん」 航は 母に 女の子を自室へ連れて行ってはダメだと言われていて リビングだったらオッケーらしい それにしても 付き合ってもう3ヶ月は経つよな… 二人になっても うちのリビングじゃ 甘い雰囲気に持っていくの 難しいかぁ… そうか! 「瑞久 ちょっとだけいい?」 瑞久にお願いする そして 瑞久が 「航くん 千佳ちゃんと 航くんの部屋見てもいいかな?」 「え?…いやっ それは…」 「ダメ かな?」 「…いいですけど」 「千佳ちゃん 行こう」 「はい」 瑞久が案内してくれて 「蒼 何企んでるんだよ(怒)」 「千佳ちゃんを 不安にさせるなよ」 「おまえに言われたくない」 「確かに…って こっちも頑張ってるわ」 「ははっ」 「最後まではまだ早いからな」 「なっ 蒼 何言ってんのっ」 「めっちゃ我慢したんやからなっ」 「なんの話だよ」 「千佳ちゃんいい子やから 泣かすなよ」 「そのまま返すわ」 「航とこんな話しするとは思わんかったな」 「俺は 蒼と したくない」 「そんなこと言うなよ 姉と思われてなくても こっちの方が先輩やからな」 「瑞久ちゃんがしっかりしてるから 蒼は恋人でいられるんやからな 勘違いするなよ」 「それは…そうやけど ちゃんと瑞久の事考えてるし 結婚の約束もして──」 「えっ け 結婚?」 「うん 海外でする」 「…蒼についていけるの 瑞久ちゃんしかおらんか」 「まぁな」 「褒めてないからな」 何かぶつぶつ言いながら航が2階へ 少しして 瑞久が階段を下りてきた 「瑞久 ありがと」 「いいえ」 「行こうか」 「うん」 弟よ 健闘を祈る
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