離れる前に

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アオの愛撫に じわじわと快感が押し寄せ 気持ち良さ以外のことを考えられなくなり ふわっと浮くような感覚から 衝撃が 気づいたら 全身が疲労し 私の体力はゼロに 動けない私を優しく抱きしめるアオの鼓動が聞こえた 私に興奮してくれたのは嬉しいけど この後の事を考えて欲しい 「瑞久 動ける?」 「無理」 私を抱っこし浴室へ シャワーを浴び 着替えてホテルを出たのが6時過ぎ 「何時の新幹線?」 「送ってく」 「えっ…」 「心配だから」 アオのせいだけど… 「もう少し 一緒に居たい」 しょうがないから 送ってもらおう 7月に代表のトレーニングキャンプがあるから 今回10日間しか戻ってこれなかった 次の予定は分からないから…また連絡すると 電車を降りたらもう外は暗くなっていて アオと手を繋ぎ歩いて帰る 私の家の前で 「アオ 入って」 「うん」 玄関へ入り 扉を締めてくれて 「送ってくれて ありがとう」 「無理させたから…」 「ほんとだよ(笑)」 「安心して 向こうへ行ける」 「気を付けてね」 「うん 行ってくる」 「いってらっしゃい」 「瑞久 愛してる」 「私も 愛してる」 アオと唇を重ねる 玄関で見送り アオ いっちゃった… 振り向くと リビングへ続くドアが開いていて 「…」 「おかえり~」 あの含み笑いは… 菜々ちゃんに見られてた!? 「…ただいま」 リビングからキッチンへ 冷蔵庫を開ける 「悲しくないの?」 「ん?」 「蒼ちゃん 行ったんでしょ?」 「うん」 「なんか…ううん なんでも」 さっきまで アオの匂いや温もりを感じていたから 今は大丈夫 「何日か経つと…アオが居ない事を実感する」 「…そっか」 次は いつ会えるかな…
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