アオと誕生日デート

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これ以上は無理 アオに付き合ったら デートできなくなる シャワーを浴び 着替え ビジネスホテルを出て 電車に乗り よく来ていた駅で降り カフェや ショップがある所ではなく 反対側の高級店が多くあるエリアへ アオは迷うことなく足を進めるのでついていく ビルのエレベーターへ乗り2階へ 扉が開くと カジュアルなイタリアンのお店があった ワインがたくさん並んでいて 北欧インテリア風のオシャレな店内は 落ち着いた雰囲気 なんか大人のデートって感じ テーブルへ案内され 「アオ こんな素敵なお店 なんで知ってるの?」 「うん まぁ…同じチームのゆっしーさんに教えてもらった」 「へぇ~」 「えっ 何に疑われてる?」 「別に」 「瑞久」 「何?…」 見つめるのは…反則 アオが注文したミートパスタは チーズが絡まった濃厚パスタ 私は カルボナーラに 食べやすくツルッとした麺はとても美味しかった アオが 私の為に頼んでくれた スモアは 焼いたマシュマロに フルーツやワッフルと一緒に食べるものらしい 可愛らしいプレートに乗せられたスイーツに目を輝かせる マシュマロの外はパリッと 中はとろとろで あったかふわとろスイーツは 私を幸せな気持ちにさせる アオがご馳走してくれたから ありがとうと伝え ビルを出て 以前ペアリングを買ったショップへ行くのかと思ったら違った 「…アオ」 「ん?」 「ここ高いよ」 「うん 大丈夫」 私でも知ってる 若い女性層をターゲットにしたジュエリーを取り揃えているショップ 全体的にシンプルだけど… 「瑞久 好きなの選んで」 「…」 一番安くても2,3万円はするのに ペアリングだったら… 耳元で 「アオ 違うお店へ──」 「年俸倍ぐらいになったの知ってるやろ?」 1年目はシーズン途中から入ったからで…一年間それで生活するんだよ 「……」 「ずっと着けてもらえるのがいいなぁ」 ちゃんとお金の管理できてるのか心配になる 「瑞久 これどうかな?」 優しいひねりのラインが特徴のペアリング 女性用はダイヤモンドが添えられていて…!! な 75,900円 「……」 「ホワイトゴールドやから変色しないって」 そこ!? 「……もう少し 違うの探そう」 「そうやな 瑞久が気に入ったのじゃないとなっ」 一度ジュエリーショップを出て 深呼吸する 少し歩いて 落ち着いたら 冷静になれた もう少しシンプルなものならあるかもしれない もう一度挑戦する 色々と見て ダイヤモンドが付いていないアオとお揃いのリングを選び 5万を越えてしまったが アオも気に入ってくれたし…いいのかな アオが行きたい場所があると電車に乗り ベイエリアの方へ 海の側だから 風があって寒く アオが 私に ジャケットを着せてくれて 海岸線の遊歩道を一緒に歩く アオがキョロキョロして ベンチへ座ろうと 周りに誰もいないのかを確認してるのかな?(笑) 「瑞久 指輪着けていい?」 「いいよ」 今着けているリングを外し 左手を出すと アオに新しく買ってもらったリングを着けてもらった 私も アオの左手薬指に着ける 「瑞久 これからも 宜しく」 「こちらそこ」 二人の手を 写真に撮ってから また左手を眺める 「気に入った?」 「うん」 「良かった」 そして 「帰ろっか?」 離れる時が一番辛い 「…」 「送ってくな」 「え…」 「瑞久んちに帰ろう」 アオと居る時に 泣きそうな顔をしたら 心配させるから 気をつけていたのに… 「…うん」 電車の中でアオはつり革につかまり 私は 少しでも触れていたくて ジャケットを掴んでいた 最寄りの駅に着き アオは私の自転車を押してくれて 一緒に歩いて帰る 家の中へ入り アオに抱きついて 「着いたら連絡して」 背中を擦ってくれて 「うん」 「ケガしないように 気をつけて」 「分かった 瑞久 愛してる」 「私も 愛してるよ アオ」 「ありがとう」 唇を重ね 「それじゃあ いってくるな」 笑顔で 「いってらっしゃい」 耳元で 「今日の下着姿 めっちゃ可愛くて エロかった」 「なっ 何言ってるの 変態」 「怒った顔も良いなぁ」 ドアを開け 「アオのバカ!」 ドアから顔を出した状態で 「頑張ってきまーす」 小さく手を振り ドアを閉めた もう…ほんと…ばか
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