オフシーズン

1/15
123人が本棚に入れています
本棚に追加
/69ページ

オフシーズン

瑞久 side 午後4時前 大学の最寄駅まで迎えに来てくれたアオに走って行き 抱きついた 「おっと 授業 お疲れ」 「…会いたかった」 「うん 会いたかった」 「…アオ なんか 一回り大きくなった?」 「あぁ…体重増えた」 「そっか いっぱい食べてて良かった」 照れ笑いしたアオを見て 安心した 「瑞久 鞄持つよ」 「ありがとう」 電車内では 隣に立つアオを見る オーバーサイズのTシャツに ゆったりした綿のパンツ ハットに伊達メガネ 一瞬男の子と間違われる服装 外の景色を眺めるアオは いつもの優しい顔じゃなくて キリッとしていて 素敵だなと見惚れていた 「瑞久 降りよう」 「え?」 ぼーっとし過ぎていた ん ん? 乗り換えの駅じゃない アオの腕を掴み後に付いていく 初めて入るお店は クロワッサンとワッフルを掛け合わせたハイブリッドスイーツ クロッフルのお店 外観はシンプルで素敵なお店で 店内は 木の温もりが感じられ落ち着く 私は モンブランクリームをトッピングしたのを アオは 蜜芋クリームとミルクソフトクリームと合わせたクロッフルを注文 「アオ ここへ来るの 初めて…だよね?」 「うん 瑞久と来てみたいと思って」 私の事を考えてくれていた事に 「…嬉しい」 「アオ 夜泊まりに来て」 「瑞久 明日も学校やろ?」 「大丈夫だから」 「分かった」 「アオは 明日どうするの?」 「小林先生に挨拶へ行って 公園でトレーニングする 夕方 瑞久を迎えに行く」 「明日も来てくれるの!?」 「いかん方がいい?」 「ううん 嬉しい」 「少しでも瑞久と居る時間を増やしたい でも 勉強する時間は邪魔せんから」 「やだ 予習してる間も 私の部屋に来て欲しい」 「いや 集中できへんやろ(笑)」 今日初めて笑った顔見たかも 「ダメ 来て」 私のわがままも 笑顔で 「分かった」 なんか 信じられない気持ちに 目の前にアオが居る 夢を見てる様な… アオと離れていた時間を 取り戻したい 一分一秒でも長く居たい 10日後 また 離れてしまうから
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!