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3月27日
午後11時過ぎ
新幹線の改札口から出てきたアオに
「おかえり」
「ただいま」
大きなキャリーケースを持っていたから 先に荷物を預ける為ホテルへ
アオから 二人の時間を作って欲しいと言われ5日前に決まった旅行
ママには アオと観光して泊まってくると伝えてある
私達は今 京都にいる
「ご飯食べに行こうか」
「うん」
豆腐や豆乳 旬の食材をあわせた創作料理のお店
湯豆腐や冷奴 おぼろ豆富 豆乳クリームコロッケにごはん 最後に 豆乳を使ったデザートと黒豆コーヒーが付いたランチはどれも美味しく 豆腐の新たな魅力に触れられた
会うまでは 期待と 不安が入り混じっていたけど
アオと話していたら 安心できた
家を出て この一年 何でも一人でやってきたんだもんなぁ
苦しい事もあっただろうけど アオのやりたい事ができて 夢を現実にしていく姿を見れて 私も嬉しい
これから距離が遠くなるから 不安はあるけど
いつか 一緒に居られると信じているから怖くない
電話でも 私を気遣ってくれるし 会えば 私を笑わせて元気にしてくれる
私が好きになった人は 素敵な人なのだ
「瑞久 大丈夫？」
「ん？」
「なんか調子悪い？」
「えっ ぜんぜんそんな事ないけど？」
「だったら いいけど…」
清水寺の参道の一部の産寧坂は 石畳の路地の脇に伝統的な店構えの土産物店や家屋が立ち並び
カメラを構える人の姿も多く
観光客が多いのも納得
和菓子店や漬物店 京扇子を扱うお店や お茶屋さんもあって 立ち寄りたいお店が沢山
左への道も 時代を感じる風情があり
人も少なく 歩きやすい
通りに面する壁が昔のまま残されていて
古都の雰囲気は いいよねぇ〜
「瑞久とこうやってのんびりできて 良かった」
「うん 私も」
私がリクエストしたのは 卒業前に行った旅行みたいに色んな所へアオと行きたいと
「瑞久 なんか飲もう？」
「うん」
宇治茶専門店の濃厚な抹茶ラテは アイスものっていて飲みごたえがあるから二人でシェアする
先に飲ませてもらい
あまりの美味しさに
「良い香りがする！
アオも飲んで」
「ん…ほんまやっ」
食べ歩き休憩にぴったり
香ばしい匂いがして
俵型の形をしたみたらし団子に目が行く
「瑞久 あれ食べよう」
アオも同じ事を思ってた(笑)
食べ歩き用のトレーに入れてもらい一口食べて
目を大きくして 美味しいを表現するアオ
私も食べて
タレが絶品で 何個でもいけそう
サイズが小さめだからすぐに食べ終わり
「瑞久 わらび餅も買ってくる」
アオは足らないよね
作りたてのわらび餅も きな粉が美味しくて ここから離れられないと笑いあった
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