オフシーズン

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蒼 side 実家へ帰ってきたけど 誰も居なくて 暇だし 瑞久を迎えに行ってもいいか聞いたら 嬉しいと返事が来て 大学から出てくる人達を見る 頭いい人ばっかりなんだなぁ あまりキョロキョロしていたら 不審者と間違われるから スマホを見ながら待つことにした ふと前を向くと 瑞久を見つけた 私に気付き 一緒に居た子達と手を振ってから こっちへ歩いてくる 後数メートルの所で 急に走りだし 勢いにびっくりして動けず 凄い衝撃だな(笑) 瑞久とさっきまで居た子がこっちを見ていた事に気付き 頭を下げる そっとしておいてくれて いい友達だな 瑞久と電車へ乗り 乗り換える駅まではまだ先だけど 声をかけ 瑞久の慌てようが新鮮でいい デートして帰ろうと言ったら 喜んでくれて 良かった 一緒に改札を出る 新幹線の車内で 瑞久の大学周辺で何があるか色々調べていて 美味しそうなスイーツの店があることを知り 瑞久と行ってみたかったから 無事お店に着いて 少し並んで 席に案内され 瑞久と向か合い 数ヶ月違う環境にいたけど 電話やメッセージのやり取りで 瑞久の事を沢山知っているし 私の事も話していて お互いに 顔を見て話せるってやっぱりいいよな 地元の最寄り駅まで帰ってきて 瑞久の自転車を押し 2人並んで歩く 懐かしいのか 新鮮なのかよく分からないが不思議な感じ 瑞久の自転車を家の敷地内へ入れ 玄関へ入ると 抱きつかれ 「アオ」 「おおっ」 もう離れないってぐらいにぎゅっとされ 私も抱き締める 瑞久を実感できて やっと安心できた気がする 愛しい人へ 「瑞久」 顔を上げてくれて 「大好きだよ」 可愛い笑顔を見せてくれた ヤッバ 理性を保ち ぐっと我慢する 佐江さん もう帰ってくるよな? 瑞久が目を閉じたから 優しく唇へ触れるキスをする ゆっくりと離れ 何か言わないと… 「…ご飯作るよな?」 「帰るの?」 「て 手伝うよ」 「ありがと」 瑞久の鋭い目に 一瞬焦った 帰るなんて言ったら 恐ろしい事になってたな(笑) 瑞久がキッチンに立ち 夕食の準備をする 私は隣で 使ったキッチン道具を洗う係 玄関の方で音がして 「ただいま」 佐江さんが帰ってきた 「「お帰りなさい」」 「蒼ちゃん お帰り!」 「ただいまです」 「焼けたわね」 「はい」 「これからもっと焼けそうね」 「日焼け止め塗っても駄目ですね(笑)」 食べていかないの?と言われたが 家の冷蔵庫に大量の食材が入っていたので 今日は 家で食べますと言い 瑞久の家から帰る 「ただいま」 母 「あんた どこ行ってたの?」 「瑞久んち」 「そ ちょうどいいわ 手伝って」 「は~い」 家にいた頃はめんどくさいと思っていたが たまになら悪くない 航と お父さんも帰ってきて 姉はバイトだから気にせず 4人で食べて 母が急に 「航の彼女がね──」 「なっ」 父 「おぉ!?」 「野球部のマネージャー?」 母 「蒼 何で知ってるの?」 航は 黙々とご飯を食べる 「同じ中学の子やろ 良かったなぁ」 「うるさい」 母 「航 何怒ってるの?」 父 「…どんな子?」 私が スマホの画像を父に見せる 「何で蒼が写真もってんだよ(怒)」 それは 色々周りに仲間が沢山居るからね(笑)」 マネージャーの詩ちゃん→桃花→瑞久経由で知っていた 父 「おぉ~ 可愛い子だな」 母 「でしょ 私が家に居る時 千佳ちゃん遊びに来てくれたの」 それは 知らんかった やるやん航(にやにや) 航を見たら 顔を真っ赤にして睨んでいた 親に紹介するってことは 真面目に付き合ってるんやな 後で瑞久に報告しよ 食器を片付けた後自室へ 久しぶりの部屋に 物が少なくなってて スッキリしている ベッドへ寝転び 部屋も掃除してくれてあって シーツも気持ちいい 最高だな うとうとしていると ガチャ 「蒼」 「ん?…うおっ」 姉が私のお腹にダイブしてきた 何年経っても 子供っぽい人だ 「何?」 「なんも」 「彼氏と?」 「さっきまで会ってた」 「そう 続いてるんや」 「当たり前でしょ あんたは?」 「瑞久と?」 「それしかないでしょ」 「いつもと変わらずやけど」 「大学で モテてるらしいよ」 「聞いてる 瑞久が可愛いからしゃーないよな」 「何 その余裕」 「ないけど 瑞久を信じてるから」 「はいはい ごちそうさま」 部屋から出ていった 私達の仲を心配してくれてるのかよく分からんな
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