3月27日

5/11
前へ
/94ページ
次へ
帰りはタクシーで ホテルへ タクシーが走り出すと 私がアオの方へ寄りくっつくと 手を取り繋いでくれた 「もう?」 「うん」 けっこう近かったんだ アオが先に降り ルーフに手を添え 頭が当たっても痛くないようにしてくれて 「ありがとう」 アオの手を掴み タクシーを降りる キャリーケースとバッグを預けた時に ガラス越しに京都駅も見え開放的なロビーだったけど 夜は落ち着いた雰囲気になっていた フロントで 専用機にスマホをかざしてチェックインし スマートな所作に アオがちょっと大人に見えた エレベーターに乗り 二人だけだったから 「私だけ?」 「?」 「さっきタクシー降りるとき 手を…」 「…ん あぁ そうやで」 私だけと聞いて 安心した 一番狭い部屋と言っても大きなベッド2つに ソファーやテーブルがあっても余裕がある 黒がアクセントでスタイリッシュなインテリア 上品な空間が素敵でテンションがあがる 洗い場が別になっていて ゆっくりバスタブに入れそう アオに 先にお風呂入る?と言われたけど 一緒に入ろうと返事をする アオと居る時間は有限だから 少しでも一緒に過ごしたい 〜〜〜〜 会ったときから 自分は平常心を保てていない ソワソワ ドキドキ 自分の感情を制御できないのは 瑞久が可愛い過ぎるからだ 一緒にお風呂へ入るんやけど…ここで無理をさせたくないし 歩き疲れて それどころじゃないよな ゆっくり疲れを取らないと 深呼吸し 心と身体を落ち着ける 〜〜〜〜 リラックスしたバスタイムだった 前開きワンピースタイプのナイトウェアも用意されていて 着てから髪を乾かし バスルームを出ると 先に出たアオはベッドのヘッドボードへもたれている 私に気付き スマホを置いて こっちを見てくれて 嬉しくなり 子供の様にアオへ抱きつく 私を優しく抱き留めてくれるから 大事にされていると伝わる 「今日も楽しかった」 「楽しかったな」 「アオ ありがとう」 「こちらそこ ありがとう」 ぎゅっと抱きついて 「アオ 好き!」 「瑞久 好きだよ」 心が満たされ 幸せいっぱいに 少し身体を離し アオにキスする 啄むようなキスから ゆっくりと重ねるキスに 気持ちよくて 頭の中がふわふわする
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

135人が本棚に入れています
本棚に追加