オフシーズン

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蒼 side …ん? あっ…そうか 瑞久の部屋だと思い出し いつ寝たか記憶ないや… 瑞久を後ろから抱き締めぴったりくっついている事は全く違和感なくて 久しぶりの心穏やかなひととき 癒され 幸せに満たされると 人間って前向きになれる気がする やっぱ疲れていたのかもな… 瑞久のスマホのアラームが鳴り 6時半か 「おはよう」 寝返りし 私の肩に頭を乗せ 「…おはよ もう起きてたの?」 寝起きの顔も可愛いって反則だな 「少し前に」 「寝れなかった?」 「めっちゃ気持ちよく寝れた 瑞久は寝られへんかった?」 「ううん 熟睡できたよ」 「良かった」 「アオ 朝ご飯一緒に食べよう」 遠慮せずに 「うん」 瑞久の腕が私の首に回り 引き寄せられ 唇を重ねる 顔を離し 瑞久を見ると 照れた笑顔は 宇宙一可愛い 「にやにやしてる(笑)」 「こんな可愛い彼女おったらなるやろ」 「ふふっ そうなの?」 「そうやで」 朝からこっちは大変ですよ 私の理性 よく頑張った 褒めてあげよう 瑞久を見送り 自分ちへ 「ただいま」 母 「お帰り あんた 今日は?」 「高校に挨拶行ってくる」 「そっ お母さんもう出勤だから 自分でご飯してくれる?」 「瑞久んちで食べた」 「ちゃんとお礼言ってきたの?」 「うん」 「夜は頼んでいい?」 「なんか作っとく」 「助かるわ じゃあ いってきます」 「いってらっしゃい」 寝癖を直し 着替えて家を出る 卒業式以来の高校は なんも変わってなくて 職員室に入るのは あんまり好きじゃない 別に何もしてないけど 嫌なんだよ 背筋を伸ばし ノックする 「失礼します 小林先生 いらっしゃいますか?」 「おぉ 蒼」 どんなシーズンだったかと 代表合宿や遠征の話をして 後輩達の状況を聞いたり 先生じゃなくて 知り合いのおっちゃんと話してる様な感じ いつまでこっちに居るか聞かれ 一週間ぐらいと正直に答えたら 暇だろ 今日部活見に来いと言われ 光コーチが来る時に行きますと言って 今日は逃れた 瑞久と休みの日に来れたらいいな
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