オフシーズン

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瑞久 side アオが迎えに来てくれるから 講義終了後 友達へ 先に帰ると言い 急いで研究棟を出た 大学敷地内から外へ出た所で ん? 女の人達と… アオが話していて 腕を触られている? …怒 「アオ!」 アオが気付いて こっちへ歩いて来てくれて 私は…おもいっきり抱きつく 「お疲れさま」 「…」 さっきの人達は駅方向へ歩いて行ったみたいだ ほっとしたけど… アオを見て 怒りを前面に出し 「誰?」 「え? あっと…し 知らない人」 「何話してたの?」 「いやっ なんか 時間聞かれて 何してるのか聞かれて 待ってる人居るんでって言ったら それまで 話そうって…」 なんで断らないの(怒) 「…」 慌てた口調で 「断ったけど 来るまでいいよねって…すみませんでしたっ」 頭を下げるアオに 少しも分かってなくて イライラをぶつけたいが黙る 「…」 「…瑞久 帰ろう」 そんな簡単に 無かったことにできるわけ?(怒) 「…」 怒りが収まらず アオを置いて先に歩き出す あっ 右の肩に掛けていたトートバッグを取られ 私の手を取り繋ぎ 「瑞久 デートして帰ろう」 クールな低音ボイスに 反応してしまい 「…どこに?」 「パフェは?」 食べ物で 私の機嫌が直るとか思ってる? 「…そんな気分じゃない」 真剣な表情で 「服とか見に行く?」 「…いい」 今日は 何もしたくない 「早く帰って 瑞久の部屋でゆっくりする?」 それは…素直に 「…うん」 アオが恋人繋ぎにして来て …もう 改札へ入ったらまた手を繋がれ ホームでも アオは私を離さない アオを見て この人は 誰にでも優しく 初対面の人でも 話し方が柔らかく穏やかな対応だから 今日の人達もアオに惹かれたのかも 私も そんな所が…大好きなんだけど ん? いつの間にかアオがこっちを見ていて 私の耳元で 「ヤバい その顔」 え? 「…?」 「瑞久 降りるから」 「え?…」 乗り換えの駅まで後2駅あるのに?
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