海外へ

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出発時刻3時間前 瑞久は ゼミがあって空港へは来れなくて 隣には 何故か菜々ちゃんが 荷物をチェックインカウンターで預け パスポートと搭乗券を入れたボディバッグを持って 出国の保安検査を受けなければいけないが… 「まだ時間あるでしょ?」 「…30分ぐらいなら…」 「お茶しよう」 「あぁ はい」 腕を組まれ 一瞬 動揺したが 菜々ちゃんも大学が忙しいはずなのに 私の為に時間を使ってもらい感謝しないと 「デートみたいですね」 「そ そんな訳ないでしょ」 そんな否定しなくても… いつもと違いノリが悪い菜々ちゃん カフェへ入り カウンターで 菜々ちゃんの飲み物を頼む 「蒼は?」 今は水分を控えたい 「菜々ちゃんのを一口もらおうと」 「…」 眉間にシワをよせたから なんか変な事いった? 二人掛けのソファに座り 菜々ちゃんも隣に 「ほんとチャラいわね」 「え?」 「誰にでもそんな事言ってるの?」 「…?」 「ほんと心配だわ 蒼 人との関係はちゃんと線引きするのよ」 「はい」 素直に返事をして 「瑞久を泣かすような事したら許さないから」 「しませんよ…」 「ほんと 蒼のせいだからっ」 「へ?」 「私に彼氏が出来ないのっ」 「!?…なんで?」 「フランス行っても 調子乗らないように」 「はい」 ちゃんと話は聞いておく 出発ゲートで 「気をつけてね」 「はい 行ってきます」 「行ってらっしゃい」 お互いに手を振り 前を向き歩き出すと 「蒼」 振り向くと !! 菜々ちゃんに抱きしめられ 「私の愛を受け取れっ」 頬へキスされて 「あっえっ…」 菜々ちゃんに ぎゅうっと抱きしめられて 家族愛を感じ 私も腕を背中へ回し 「菜々ちゃん ありがとう」 「ん」 「頑張ってきます」 手を振り 出発口へ
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