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19日 日曜日 目蓋をゆっくりと開ける いつもよりしっかり寝れた感じがするのは アオが一緒に寝てくれたからだ アオの体温が心地よくて 腕を腰に回し 肩口へ頬を寄せくっつく 「…ん…んー…」 あっ 起こしてしまった もう少しこのままがいいんだけどなぁ 「おはよう」 頭にキスされて 髪を撫でられ 今日は一日このまま過ごしたい 「寝たふりですか?」 「…やっ やだっ」 アオにくすぐられ 「瑞久」 「何?」 「おはよう」 「おはよう」 「あのさ しんどくなかったら 小林先生とこ挨拶へ行かん?」 「…いいけど」 「お昼 何食べたい?」 「えー」 食べ物につられて にやにやしてると 「分かりやすいな(笑)」 「違うしっ」 アオの身体によじ登り あっ 昨日の事を思い出した 「…アオ」 「ん?」 「昨日 途中で 寝ちゃった…よね?」 「ん あぁ」 「私だけ…その…」 「瑞久とエッチできてよかったよ」 「そう…?」 「うん そろそろ来るな」 「えっ」 ガチャ 「なんだ 起きてるじゃん」 「おはようございます」 「…」 菜々ちゃん ノックしてよと言いたい所だけど 昨日は部屋へ入ってこなかったし許してあげよう 「蒼ちゃん 一緒に朝ご飯食べよう」 「いえ 母が帰ってきてるので──」 「大丈夫よ もう楓に言ってあるから」 「…すみません」 「ちょっと 菜々ちゃん 入ってこないでよ!」 掛け布団をめくり ベッドの中へ 「だって 瑞久だけ蒼ちゃんに甘えてズルい あったか〜い」 「…」 「菜々ちゃん もう起きるから どいてよ」 押してベッドから出す 「えー」 仕方なくアオから離れ やっぱり菜々ちゃんにはこの部屋へ入ってほしくない 〜〜〜〜 一階へ行くと 佐江さんがキッチンにいて 「おはよう」 「おはようございます」 「「おはよう」」 ポトフ ブロッコリーとトマトのサラダ バケットを用意してもらい 5人で食事しながら フランスでの生活や今週の予定を話す 瑞久の休みは29日から その間もレポートをしないといけないから忙しい 24日、25日も大学へ行くから 夜だけ食事をしようと約束している 瑞久の家を出てキャリーケースの片付けをし サッカーのできるウェアとシューズを準備する 小林先生は 私の母校ではなく 転勤になり違う中学へ 男子サッカー部の顧問をしていて 午後からの練習に参加させてもらう 瑞久とランチをしてから 電車、バスを使い 1時間かかった 2時間の練習が終わり 私の感じた事や経験してきた事を少し話させてもらい 小林先生には高校で沢山お世話になっていたから 少しでも恩返しができてよかった 「暇やったやろ?」 「そんな事なかったよ」 「小林先生 3人目の子供が生まれたんだって」 「そうなんっ」 瑞久は小林先生と色々話していたみたいで 私に付き合ってくれたから 「瑞久 なんか買い物とかあったらどっか寄って行く?」 「うん」 ここから近い駅直結の商業施設へ
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