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『光。今は何時代ですか』
『何時代って。令和だけど』
『わたしは、大正時代を生きています。大正の人間なんです、わたし』
大正。昭和の前の、あの大正なのか。まさか、そんな。いや、それなら、今までの妙なところで質問があったことには説明がつく。何より、鈴音が嘘を吐くとは思えない。つまりこのテレパシーは、時を超えているのだ。
『光との話から推測するに、おそらくですが、百年。この、てれぱしー、というものは百年の歳月を超えて届いています』
教室の扉を開けた僕は戸惑っていた。それはつまり。
『それじゃあ、鈴音に会いに行くことは』
『はい。不可能です』
嘘だろ。席に座った僕は、脱力して、やがて机に突っ伏した。
『そろそろ授業ですよね。しばらく声はかけないようにします』
『……ああ』
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