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『君に長生きしてほしいから』
はっきりと伝える。小っ恥ずかしくなった僕は、慌てて付け足す。
『と言っても、現代の医療で鈴音の病気が治せるかはまだわからないんだけど』
あはは、とテレパシーで笑う。わざとらしかっただろうか。しばらくして、鈴音からの返事が来た。
『わかりました。わたしが罹った病名は……』
それから鈴音の病気を治す方法を調べる日々が続いた。どうすれば、大正時代で治せるかも考慮して、徹底的に調べた。そうして鈴音にテレパシーで調べた内容を伝えた。鈴音の父は医者だと聞く。伝えた内容を試す可能性はあるはずだ。
どうか、うまくいってくれ。
『光。聞いてもいいですか?』
数日後の深夜。互いに寝付けなかったから少し話し込んでいると、不意に鈴音が訊ねた。僕は少し眠くなっていて、眼を瞑りながら話をする。
『なに?』
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