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『にしのあずささんへ。
突然のお手紙で驚かせてごめんなさい。
私は、あなたのことを何も知りません。
あなたが今、どんな気持ちでこの手紙を読んでいるのか、どんな深い絶望の中にいるのか、健康に生まれてきた私には想像することもできません。
あなたは私を羨ましがることでしょう。
だけど、私にはどうしてもあなたに敵わなかったことがあります。
それは、橘さんのことです。
私は橘さんのことが好きでした。
何度も何度も、橘さんを自分の方へと引き寄せようとしました。
でも、どうしても駄目でした。
橘さんの、あなたへの想いが強すぎたから。
私はあなたの代わりにはなれませんでした。
そんな私からあなたに、お願いがあります。
どうか、橘さんと一緒にいてください。
今夜7時30分頃、9月ペルセウス座ε流星群という特別な流れ星が落ちてきます。
その流れ星に、橘さんとの未来を願ってください。その願いは絶対に叶います。
信じられないと思いますが、私はその流れ星の力であなたがこの手紙を読むと知りました。
あなたが希望を捨てたら、橘さんも同じ運命を辿ります。
橘さんを救えるのはあなたしかいません。
橘さんのためにも、どうかこれからも生きてください』
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