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「茉優の、茉優の手作りを食べれるなんて……! 食べたい、だがもったいない気持ちが俺の中でぐるぐると……!」
「食べてもらうために作ったので、食べてください」
「わかった、食べる!」
意を決したようにしてスプーンを持ったマオが、とろりと黄身をくずしながらキーマカレーを掬い上げる。
はくっとくわえて咀嚼すると、「う……まい」と低く呟いて片手で顔を覆ってしまった。
「こんな……至福の時が訪れるなんて……生きててよかった……っ」
「ちょっ、マオさん泣いているんですか!?」
「いや、これはアレだ、こらえきれない喜びと感動が目から飛び出してきてしまっているというか」
「泣いているじゃないですか! ティッシュティッシュ……」
「……おにいちゃんとおねえちゃんは、パパとママなの?」
「んん!?」
とんでもない質問に風斗くんを見遣ると、彼はきょとんとして、
「パパもよく、ママのごはん食べれてしあわせだっていってるよ」
「そうだ、大好きな人が作ってくれたご飯を食べるれるなんて、幸せで以外の何物でもない。パパとは気が合うな」
「ほら、やっぱりパパとママなんだ」
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