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「……菜々。机の上の本みたいなものはなに? 表紙が、我が家の三人の写真に見えるのだけれど」
「あ、うん。あれは、アルバムを作ってみたの。写真のデータ、正純さんに貰って……。ほら、家にも写真、飾ってるじゃない? だからデータじゃなくて、手元で見れるアルバムもいいかなって思って……。沙雪は、家族が大好きだから。買ってきたプレゼントよりも、こっちのが嬉しいかなって……思って……」
刹那、沙雪さんが両手で顔を覆った。
膝を折るようにして崩れ落ちる。
「沙雪!?」
「ごめんなさい、正純さん、菜々」
「な……どうして沙雪が謝るんだよ! 沙雪は何も悪くないだろ!」
「怒っていいのよ沙雪!」
「違う、違うの……。私が、二人を信じてなかったから。正純さんも菜々も、私を想って、私のために頑張ってくれてたのに……。二人とも、いつだって私を大切にしてくれているのに。なのに勝手に疑って、全部駄目にしてしまった。与えてもらっておいて、こんな酷い裏切り。本当に、ごめんなさい」
嗚咽を零しながら深々と頭を下げる沙雪さんに、正純さんと菜々さんが即座に駆け寄る。
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