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訊ねる正純さんに、沙雪さんが首を振る。
「いいえ。私はあやかしではない。けれど二人のように、純粋な人間でもない。あやかしの血が流れているのは、自分でもわかるの。昔から冬でも寒さなんて感じないし、雪の降り止みがわかるもの。理屈ではなく感覚で。こんなの……おかしいわ」
言葉に迷うようにして、正純さんと菜々さんが顔を見合わせる。
突然あやかしなどと言われて戸惑っているのだろう。無理もない。
私もそうだったから、よくわかる。
けれど。沙雪さんがこの告白をするのに、いったいどれほどの勇気を振り絞ったのか。
この言葉の数々に、どれだけの愛が込められているのか。
沙雪さんの決意を無駄にしたくないと思えるくらいには、私は"あやかし"を受け入れている。
「あの、私からもいいですか」
発した私に、正純さんと菜々さんの目が向く。
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