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「だって、嘘をつきたいんなら、わざわざこんな"嘘かも"って思えるような話にしないだろ。あやかし……妖怪ってことだよな? 俺は今までお化けすら見たことがないから、ちょっとまだ実感が沸かないけれど……。沙雪がこんなにも泣いて話てくれたんだから、俺はそのまま、受け止める」
「正純さん……」
「先祖がなんだろうと、沙雪は沙雪だってことに変わりないよ。冬でも寒くないとか、ちょっと羨ましいなんて言ったら、気分悪い?」
「菜々……ううん。私もね、寒くないのは楽だなって思うこと多いもの」
くすくすと笑い合う二人に、正純さんが目元を和らげる。
(うまく和解できたってことで、いいんだよね)
よかった、と安堵の息を零した刹那、ピンポン、と部屋に呼び鈴が響いた。
不思議な顔で立ち上がった菜々さんがインターホンを操作すると、
『開けてくれ~~』
『あーけーてー!』
「マオ!? 風斗くん!?」
気づけばいつの間にか、二人の姿がない。
上がってきた二人はガチャリとドアを開けて入ってくると、
「その様子だと話はまとまったみたいだな。んじゃ、始めるぞ!」
「はじめるって、なにを」
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