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戸惑う菜々さんに、風斗くんがビニール袋を抱えながら、
「ママのおたんじょうびパーティー!」
「え……?」
「飾り付けはある、ケーキもある。プレゼントだって揃ってるんだ。なら今すぐ"サプライズパーティー"をしても問題ないだろ? ということで、風斗と一緒にコンビニで適当に買ってきたから、いい感じに並べてくれ」
「菜々ちゃーん、つくえのこれどかしてー」
「え!? あ、うん! って、風斗ちょっと待って乗せないでっ!」
バタバタと風斗くんに駆け寄った菜々さんが、一緒に飾ろと風斗くんとカーテンに装飾を付け始める。
マオは「これもな」と唖然としている正純さんにビニール袋を押し付けて、隣で立ちすくむ沙雪さんに視線を向けた。
「風斗はなにも、聞いてないからな」
「!」
「言うも言うわないも、今度は二人で決めればいい。あの子は、キミたち二人の子なのだから」
虚を突かれたような顔をして、正純さんと沙雪さんが顔を見合わせる。
それから二人は示し合わせたように深々と頭を下げ、
「そうします。何から何まで、ご迷惑をおかけしました」
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