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「この家については他言無用です。件の"不届き者"にどこから情報が漏れるかわかりませんし、たとえ悪意がないにしろ、興味本位で訪ねてこられても面倒ですから。ここは大旦那様の邸宅であると、お忘れなきよう」
「朱角、伝えるにしてももう少し言い方をだな」
「いえ、平気です。朱角さんの話は要点がはっきりされているので、とても分かりやすいです。いろいろとありがとうございました、朱角さん。このお家についても、しっかり心得ておきます」
「……よろしくお願いいたします」
お邪魔いたしました、と軽く頭を下げ、朱角さんが部屋を出る。
マオが「ったく、俺は無視かよ……」と嘆息するのに苦笑を返して、
「私は朝食が終わったら、離れに行ってきます。あちらで生活できるよう、整えてしまいたいので」
「わかった。俺も一緒に行きたいところなんだが、生憎このあと親父の手伝いがあってな。八つ刻には済むだろうから、その頃に合流するな」
「ありがとうございます」
そうして朝食を済ませた後、私はさっそくとタキさんと共に離れに赴いた。
タキさんは着物が汚れないようにと、白い割烹着に三角巾を身につけている。
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