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中途半端だった掃除も済ませてくれたらしい。家の中はすっかり埃がなくなっていて、家電も全て電気が通っている。
タキさんが一階の窓を開けてくれている間に、二階の自室に向かった。
動きやすい服装に着替えるためだ。
扉を開くと、記憶にあるそこよりも整えられた部屋。
ベッドにはマットレスと布団がひかれ、木製の卓上には、元のマンションでも置いていた写真たてが置かれている。
久しぶりに顔をあわせるそれを手にして、やっと、ここが自身の住まいになったのだと実感する。
映っているのは両親と、まだ幼い私。そして記憶よりも皺の少ない、背の曲がっていない祖母。
「話したいことは色々あるんだけれど、また、落ち着いてからね。いい人達に助けてもらえたから、心配しないで」
写真を戻して、浴衣から着替える。
服は箪笥とクローゼットに綺麗に収められていた。まさしくお手本のような収納で、勉強になる。
かわいく結ってもらった髪は、せっかくなのでそのままで。ティーシャツとはちぐはぐだろうが、崩すには勿体ないから。
二階の窓を開けて、急いで階段を降りる。
「ありがとうございました、タキさん」
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