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お言葉に甘えて、プレーンとロイヤルミルクティーを頂く。
ちょうど時間になったので、ポットから茶葉を取り出し、お盆に乗せたティーカップと一緒に乗せた。
小皿にはマオがシフォンケーキを二つずつ乗せてくれて、揃って縁側の出っ張った箇所にある、外を望めるテーブルへと向かう。
紅茶を淹れて、向かい合うようにして椅子に座る。
窓の外ではピンクのツツジが満開を迎えていて、茂る緑とのコントラストが美しい。
くゆる紅茶の香りに混ざる優しい甘さに引かれるようにして、私は両手を合わせた。
「いただきます」
一口分に切り分けようと、フォークを薄黄色の生地に入れる。瞬間、しゅわ、と微かな音が聞こえた気がした。
気のせいかな、と思いつつ、切り分けた一口を口内に。
「!」
ふわりと柔らかい生地はほんの数度咀嚼しただけで、あっという間になくなってしまう。
軽い。けれど水分を含んだ、しっとりとした口当たり。
「おいしいです……! シフォンケーキが溶けるなんて……っ」
感嘆の声を上げる私に、マオが「な? びっくりの体験だろ?」と喉を鳴らす。
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