新たな依頼人とプロのペット

2/26
前へ
/239ページ
次へ
 依頼は直接指示を受けてほしいと言われている。  ちなみに、里香さんがなんのあやかしの血を引いているのかも、教えられていない。  と、里香さんががばりとカットソーを脱ぎ始めた。着替えだろうか。  私は慌てて後ろを向き、ついでにマオも背を向けているのを確認して、 「あの、今日は何をお手伝いしましょう?」 「あー……んじゃ、適当に掃除しておいて。あと、飼ってるやつのご飯も。そんで、アタシが帰ってくるまで、絶対に部屋にいて」 「かしこまりました」 (ペットがいるのかな)  部屋の中はちらりとしか見えなかったので、ペットらしき存在まではわからなかった。  今のところ、鳴き声も足音もしない。ということは水中系か……爬虫類? 「じゃ、あとよろしく」  え、と声を上げたと同時に、「邪魔」と肩を押され隣を里香さんが通っていく。  マオも同じように押しのけられていて、あっという間に家を出ていってしまった背中。 「なんだあの態度!?」  押しのけられた際、シンクに腰をぶつけたらしいマオが「いてて」とさすりながら呻く。  私は「大丈夫ですか、マオさん」と無事を確認してから、
/239ページ

最初のコメントを投稿しよう!

150人が本棚に入れています
本棚に追加