新たな依頼人とプロのペット

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 白いシャツにラフな黒いパンツ。  にこにこと人の良い微笑みが彼の雰囲気をさらに柔らかなものしているけれど、私が思わず動揺してしまったのは、そんな彼の美貌に当てられたからではない。  シャツの襟もとから覗く、しなやかな首。  そこに付けられているのは、真っ黒な首輪。 (あ、なるほどそういうファッションか)  あまり触れたことのない文化だったために、少し驚いてしまった。  納得の心地で名刺を手渡すと、彼は「ご丁寧にありがとうございます」と笑んで、 「主人からお話は伺っておりますので、好きにしてください。わからないことがありましたら、僕に」  主人、という言い回しにひっかかりを覚えたのを気付かれたのか。  彼は「申し遅れました」と自身の首輪をついと指先で軽くひっぱり、 「僕は冴羽玄影(さえばはるかげ)と申します。プロのペットをしていまして、今のご主人様が里香さんになります」 (ペット? ご主人様?)  もしかして、さっき里香さんの言っていた"飼ってるやつ"って、まさか……! 「……きょ」  背後から妙な声がして、「マオさん?」と視線を遣る。刹那、 「教育上よろしくない!!!!」 「マオさん!?」
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