新たな依頼人とプロのペット

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 がばりと後ろから目隠しをされ戸惑っていると、 「あんっのタヌキ親父! ぜってえ知っていたくせに茉優を寄こすなんて何考えてるんだ! 茉優、電車賃は出すから今すぐ家に戻っていい。あとは俺がひとりでやっておく」 「ちょっ、マオさん落ち着いてください」 「おや、喧嘩ですか?」 「アンタはちょっと黙っててくれ……!」 「マオさん、駄目ですよ声を荒げたら。ご依頼主様の大切な方なんですから。それに」  私はよいしょとマオの手を引き剥がして、 「私はとっくに立派な大人です。ご心配には及びません」 「なあ……っ!?」  真っ青な顔で、マオがピキリと固まる。 (え? 私って年齢言ってなかったっけ?)  いやでも、言っていなかったとしても、どう見ても未成年には見えないだろうし。  誰が見たって"立派な大人"だと思うのだけれど。 「茉優……本当、なのか。その……とっくに、立派な大人っていうのは」  あわあわと訊ねてくるマオが、いったい何にそんなに衝撃を受けているのかわからない。  ひとまず私が大人なのは事実なので「はい」と頷くと、マオは崩れ落ちる用にしてフローリングに両手をつき、
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