新たな依頼人とプロのペット

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 二人で外出する姿を想像して、ふと、外に行く時は首輪ってどうされているんだろ……と過ったその時。 「茉優さん、でしたよね」 「え? あ、は――」  い、とまで言えなかったのは、いつの間にか真横に立っていた玄影さんが、そっと私の口を片手で覆ったから。  もう片方の手は自身の唇前でひとさし指を立て、まるで内緒話をするようにして、柔和な笑みのまま彼は言う。 「今からなにがあっても、声を出さないでください」  なにを、と疑問が浮かんだ刹那。  ガチャガチャガチャ!  突如けたたましい音をたて、ドアノブが激しく上下した。 「!?」  驚きに玄関に目を向けた私は、即座に玄影さんを見遣る。  彼はやはり優しい笑顔のまま、こくりと頷いた。人差し指は立てたまま。  今度はドンドンドンと扉が叩かれ、何かが郵便受けに入れ込まれる。と、 「なんだ今の音!? 茉優! 無事か!」  お風呂場から飛び出してきたマオが、私の姿を見るなり目尻を吊り上げて、瞬きの間に側に来た。  私を背後から抱きしめるようにして玄影さんから引き離し、 「茉優には指一本触れるなって言ったはずだ」
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