新たな依頼人とプロのペット

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 気づいてしまえばますます恥ずかしくなるだけで、とにかく離れなければと両手を上げて、勢いよく後ずさった。  途端、マオは焦ったように手を伸ばして、 「茉優、危な――っ」 「おっと、間一髪でしたね」  背にあたった衝撃と声に見上げれば、にこりと笑む玄影さんが。その後ろにはドア枠が見える。  私が当たる前にと、間に入ってくれたのだろう。 「すみません、玄影さん! お腹と背中、大丈夫ですか!?」 「ええ、僕はなんとも」  ほっとしたのもつかの間、 「てめっ、また茉優に……! と、いいたいとこだが、今回ばっかりは許してやる……っ!」 「おや、案外分別のある方なんですね。てっきり感情任せの束縛男かと踏んでいたのですが」 「な!?」 (爽やかな笑顔でなんかすごいワードが……)  マオと玄影さんはお互い苦手なタイプなのかな、と考えつつ、「ありがとうございました」と頭を下げ。 「玄関、見てきますね」 「いや、俺が行く。何か入れられたんだろ? 茉優は万が一を考えて、連絡できるように用意しててくれ」 「でも……」 「心配は無用ですよ。害のあるものではありませんから」 「え?」
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