新たな依頼人とプロのペット

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「そのまじないが造花でも有効なら、僕と茉優さんは結ばれる運命になりますね。こうして受け取ってくれましたから」 「まてまて、"誰が置いたかもわからない"が重要になっているのなら、茉優の相手がそのストーカー野郎になっちまうだろうが」 「許せませんね。造花は無効にしましょう」 (そもそもこの花を入れた人の想い人が里香さんなのだから、私は関係ないんじゃ?)  気が合わないと思いきや、今度は意気投合している二人。私は掌に乗る布製のクロユリを見つめ、思考を深める。  愛した人に裏切られたが故の呪いと、恋のおまじない。 「……里香さんの元彼さんが、付きまとっているんですか」 「すみません。あまり深い話は、僕からは。ひとつだけ言えるのは、僕のような"ペット"が必要になった理由はこれですね。なので僕はこの部屋でただ契約のうえ飼われているだけで、主人とは清い関係です」 「"主人とペット"なんて言っている時点で、清さとは無縁だと思うんだが?」 「おや、ペットに欲情するタイプでしたか。大変な失礼を」 「そういう話じゃないし、するわけないだろ!?」
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