150人が本棚に入れています
本棚に追加
「そのまじないが造花でも有効なら、僕と茉優さんは結ばれる運命になりますね。こうして受け取ってくれましたから」
「まてまて、"誰が置いたかもわからない"が重要になっているのなら、茉優の相手がそのストーカー野郎になっちまうだろうが」
「許せませんね。造花は無効にしましょう」
(そもそもこの花を入れた人の想い人が里香さんなのだから、私は関係ないんじゃ?)
気が合わないと思いきや、今度は意気投合している二人。私は掌に乗る布製のクロユリを見つめ、思考を深める。
愛した人に裏切られたが故の呪いと、恋のおまじない。
「……里香さんの元彼さんが、付きまとっているんですか」
「すみません。あまり深い話は、僕からは。ひとつだけ言えるのは、僕のような"ペット"が必要になった理由はこれですね。なので僕はこの部屋でただ契約のうえ飼われているだけで、主人とは清い関係です」
「"主人とペット"なんて言っている時点で、清さとは無縁だと思うんだが?」
「おや、ペットに欲情するタイプでしたか。大変な失礼を」
「そういう話じゃないし、するわけないだろ!?」
最初のコメントを投稿しよう!