新たな依頼人とプロのペット

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 真っ青な顔のマオが「茉優! 違うからな!? 俺はそんな特殊性癖なんてないし茉優一筋だからな!?」と叫けんでいるけれど、完全に熟慮モードに入っている私の耳にはうっすらとしか聞こえない。 (もしかして里香さんの指示が曖昧だったのは、最後の"絶対に部屋にいて"が一番重要だったから?)  自分の口からストーカー被害を告げるには気が引けて、こうして実際に見てもらう方が早いと判断した。  そうなると、彼女の真の依頼内容はこのストーカー被害を解決することだろうけど。 「花は毎日届くんですか?」 「いえ、不定期ですね。ただ決まって届くのは、主人のいない時です」 「花だけ突っ込んでいくなら恋文で違いないだろうが、わざわざドアを叩いたりしているところを見ると、この花にはお前への脅迫も兼ねているようだな」 「そうなるかと。僕がペットだと知るのは、お二人を除けば主人しかいませんから」 「あ! 待ってください、こんなストーカーがいるのなら、里香さんをお一人にしていたら危険なのでは……!」 「心配には及びませんよ。主人には接触してこないそうですから」
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