新たな依頼人とプロのペット

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「相手はわかってる。別に、コレはこのまま放っておいていい」 「い、いいんですか? もしエスカレートしたら、里香さんだって危険に……!」 「ならない」 「え?」 「あの子は錯覚しているだけ。アタシが調子に乗って、ずっと甘えて続けてしまったから。責任感が、強い子なの。だけどきっともうすぐ、アタシに興味なんてなくなる」 「里香さん……?」  里香さんはごろりとベッドにうつ伏せに倒れると、枕に顔をうずめて、手だけを振る。 「もう帰っていいよ。明日も同じ時間に来て。それと……もし、誰かにアタシのことを聞かれたら、楽しくやってるって言って。アンタたちのことは、私の友達だってことにしておいて」  半ば追い出されるようにして家を出た途端、マオが「なんだあの態度」とこめかみを揉む。 「平気か、茉優。嫌だったら明日は俺ひとりで来てもいいんだぞ」  アパートの階段を降りながら私は「あ、はい」と頷き、 「それは全然、大丈夫なんですけど……もう少し、里香さんとお話がしたかったですね」
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