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初めて会ったはずなのに。マオのこと、全然知らないはずなのに。
前世で夫婦だったなんて、とても信じられる話じゃない。
このまま連れていかれた先で壺を買わされるとか、二人で暮らすための大金を引き出すためにお金を貸してくれと頼まれるとか、どう考えても詐欺の可能性が高すぎる。
わかっている、のだけれど。
(どうして全て本当の話だって、受け入れてしまっているんだろ)
不思議と彼に対する嫌悪感がいっさいない。
そればかりか、私もまた、やっと会えたような懐かしさと安堵感に包まれてしまうのは、繰り返された夢による"刷り込み"なのだろうか。
「信じてくれたか? つっても、すぐには無理か」
マオさんは少しだけ、悲しそうに眉尻を下げ、
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