新たな依頼人とプロのペット

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(ん? あの色って……)  それと、あの指は。 「残念だが、お前の嫌がらせは効いてないぞ」  嘲笑交じりに告げるマオに、あいりさんがぴくりと肩を揺らした。 「あの程度で怯えるような男なら、とっくに出ていっているはずだろ。だがいまだに一緒にいるってことは、とっくに二人にとって、あの花は脅威でもなんでもないってことだ。下手な悪あがきはやめるんだな」 「……うるさい」 「いくら過去に縋ろうと、時間は進んで行くんだ。いい加減、現実を直視したらどうだ?」 「うるさい、うるさいっ!」  耳を塞いだあいりさんは勢いよく首を振って、 「あの男が悪いんだ! あの男が里香を騙して! 汚い! きたないっ!! アンタ達だって、里香の気持ちなんてちっとも理解してあげらないくせに! 親友? そんなの里香に必要ない! 里香に必要なのはあいり、あいりしかいないの!」 「あ、あいりさん」  落ち着いてください、と続けようとした私の口を、マオが無言のまま片手でそっと制す。  その視線を冷たく細めて、
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