新たな依頼人とプロのペット

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「そうやって他人に理由を求めてばっかりじゃ、どれだけ時間が過ぎようと何も変わらないぞ」 「……っ」  行こう、と。マオは私の肩を引き寄せたまま歩き出す。  あいりさんは俯いたまま佇んでいた。心配だったけれど、これ以上何か出来るようにも思えなくて、私も彼女から視線を切り歩き出す。  無言のまましばらく行った所で、後ろを確認したマオは「悪かったな、茉優」と私の肩に回していた手を離した。  なにかあった際に、即座に守れるようにとの行動だったのだろう。  そう予測が出来るくらいには、マオとの付き合いも深まってきた。  あまりの近さに心臓がドキドキしてしまったのは、生理現象のようなものなので許してほしい。  私は「いえ、ありがとうございました」と一礼してから、 「あの子が"ストーカー"だったんですね」 「だな。ったく、隠す気もないどころか直接対峙してくるなんて。あんなまどろっこしいやり方で牙をむくくらいなら、直接本人と話せってんだ」  くたびれたようにして、マオが頭をかく。 (……なんだろう、この違和感)
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