女郎蜘蛛と赤い爪のおまじない

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「お前の妙な趣味に茉優を巻き込むな!」 「ですが主人がいなくなってしまったものですから。このままでは、今夜は公園をお借りして寝ることに」 「え……? 玄影さん、ご主人様がいらっしゃらないと寝る場所もないんですか?」 「プロのペットなもので」 「んなプロやめちまえよ……」  呆れ顔のマオは、はっとしたようにして私の肩を掴む。 「茉優、駄目だからな。こーゆーヤツは同情したが最期、あの手この手で居座りやがるタイプに違いないからな……!」 「おや、僕のような人間と関わった過去がおありで?」 「誤解を招くような言い方をするな。人生経験が豊富なもんで、色んな厄介者を見たことがあるってだけだ」 「ふふ、それはあやかしと人間、どちらだったのでしょうねえ」  朗らかな笑みを浮かべる玄影さんに、私は思わず「え」と零す。  玄影さんはそんな私の反応に「可愛い反応ですね」とご機嫌に笑みを深めて、 「茉優さんは人間ですが、彼はあやかしですよね。詳細までは判別できませんが」  どうして、と焦る私とは対照的に、マオが「やっぱりな」と心得ていたように呟く。
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