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「はい、ここに……」
マオにも見せようと、自然と上半身と顔を寄せる。刹那、
「あーと、茉優。信頼してくれるのは嬉しいんだが、あまりに無防備だと俺も我慢がきかなくなるというか」
「はい?」
ぱっと顔を上げた瞬間、視界いっぱいにマオの顔。
額が触れてしまいそうな距離に現状をうまく処理できずにいると、苦笑を浮かべた彼が、「気付いたか?」と肩をすくめる。
「す、すみません私……!」
やっとのことで理解し慌てて飛び退くと、マオは「いや、俺もまだまだ青いな」と頬を掻き、
「今は側にいられるだけでいいって思ってたんだけどな。けれどつい、こうも近いと触れたくなってしまう。ああいや、茉優が俺を好いてくれるまで、絶対そうした触れ方はしないぞ。茉優に嫌われたくはないし、怯えられるのも嫌だからな」
「マオさん……」
「あ、引いたか? すまん、こんなこと言われたら気が休まらないよな。だが誓って! 誓って護衛としての境界は越えないから……! 頼むから、出ていけなんて言わないでくれよ? な?」
上目遣いで手を合わせるマオがなんだか可愛くて、私は「いいません」と笑みを零す。
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