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「俺は茉優を誰かに奪われたくない。だが、茉優が俺では駄目だと判断したのなら、従うつもりだ。それまでは……こうして話をして、互いの胸の内を伝え合って。片方に足りないことは、もう片方が補っていけるような。そんな、支え合えるような関係をだな。前世の"マオ"と"ねね"じゃなくて、俺と茉優として。新しい関係を築いていきたいって、俺は思うんだが」
手を、取ってくれるか? と。
マオは請うような眼で、私を静かに見つめる。
その瞳はたしかに、私の姿を映していて。
「……本当に、いいんですか? マオさんほど素敵な方だったら、わざわざ私でなくても、もっといい方を選び放題だと思うのですが」
「茉優は俺を素敵だって思ってくれているのか? 照れるな」
「マオさん、私は真面目に……!」
「俺だって大真面目だ。大真面目に、茉優への気持ちを伝えたつもりだったんだがな。それでもまだ、信じてはもらえないか? もっと言葉にしようか。茉優が許してくれるのなら、行動で示したっていいんだぞ」
「いえ、マオさんのお気持ちを、疑っているのではなくて……」
申し訳ないんです。
私はなんとか心の靄を言葉にする。
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