新しい愛をはじめましょう

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「マオさんの言葉が嬉しくて。その、初めて好きだなって思えた人に、気持ちを許してもらえて……。私なんかが、マオさんと釣り合うはずがないのに。なのに、嬉しいんです、私。でもマオさんは、私がこんなことを言ってしまったら、ますます受け入れようとしてくれるじゃないですか。それが分かっているのに、その手を取りたいって思ってしまうことが、本当に、申し訳なくて――っ」  瞬間、ぐいと腕を引かれた。  よろけた身体を受け止めるようにして、上から落ちてきた身体が私を抱きしめる。  鼻に触れる、柔い白髪。私とは違う香り。 「ごめんな、茉優。今回限りは許してくれ」 「マオ、さ……」 「俺の心臓、わかるか?」  心臓? と意識的に息を潜めると、触れ合った胸からどくどくと強い鼓動が伝わってくる。 「今は、それでもいい。申し訳ないって、茉優が躊躇してしまうのなら。嫌なんじゃなくて、手を取りたいって事実さえ伝えてくれれば、俺がこうして迎えにいく」 「マオさん……」 「いったろう? 自信なんてすぐにつく。その時に捨てられないといいんだが」
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