前世と愛しい巡り合わせ

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前世と愛しい巡り合わせ

 それぞれの席に戻った私達は、すっかり冷めてしまった紅茶を淹れなおして、緩やかなお茶の時間を再開した。  開けるだけ開けて放置されていたクルミっ子を、はくりと一口食む。  しっかりとしたキャラメルバターの食感に、クルミのザクザクとした軽い爽やかさが合わさる。  濃厚な甘さ。だけれども、上品なほろ苦さとたっぷりのクルミのおかげか、まったくくどく感じない。  なんなら、甘さが控えめのようにさえ思えてしまう。 「こんな美味しいお菓子があるんですね。とろっとした甘さの中に香ばしさもあって、ザクザク感が楽しいです。紅茶ともよく合いますね」 「だろ? 俺はこのとろっとした甘さが気に入りなんだがな。冷やして食べると、また甘さがすっきりして違う食感が味わえるぞ。残りは冷やしてみるか?」 「ぜひ、やってみてもいいですか? 冷やしたバージョンも気になります」 「よし、んじゃこっちは冷蔵庫で留守番組だな」  箱のリスを指先でコツリとつつくマオ。  私は少しだけ迷ってから、今しかないだろうと口を開く。 「"ねね"さんのことって、聞いてもいいですか」
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