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俺達も言葉を尽くし、態度でも示していた。
これは俺達あやかしの問題で、奥方様がここにいてくれるのは、俺達にとっての幸福なのだと。
けれども奥方様は結局最期まで、"迷惑をかけてしまった"と責任を感じていた。
幸せそうな笑顔の裏に隠していたのだ。
寿命も違う、価値観も違う。
それでも奥方様がこの地にとどまり生涯を終えたのは、大旦那様を愛していたからだ。
そもそもが、違うのだ。
奥方様と大旦那様は初めから互いに惹かれ合っていて、それなりの時間をかけて互いを理解し、それでも一緒になりたいと告げたのは奥方様だった。
大旦那様はちゃんと一線を引いたところで待ち、決定は奥方様に委ねていた。
愛しているからこそ、欲を押し込んでいたのだろう。奥方様の幸せのために。
なのに、だ。
「全てを奪って囲い込み、己の容姿を承知したうえで、愛を囁いているのだろう。前世で夫婦だったと、嘘までついて」
「嘘じゃねえ。"マオ"と"ねね"はたしかに夫婦の契りを交わした」
「夜更けに二人で密かに指切りをしただけだろう。おまけにそれっきりで、翌朝には死に別れたというのなら、夫婦と呼べることなど一つもしていないじゃないか」
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